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時事コラムRepresentative director's column

人材確保の考察-1

 昨今,介護業界において人材不足のニュースばかりクローズアップされているが,果たして人の確保はどのような考え方を持てばいいのだろうか。
売り手市場,買い手市場のバランスはその時々において変化していく。
売り手市場と言われたつい先日までは多くの業種,そして事業所は確保縮小のスタンスであった。

 しかし今は,介護業界をはじめとして製造業,建設業,運輸業などのブルーワーカーの職種は総じて慢性的人手不足が叫ばれている。
要は人の取り合いが始まっているのだ。

 そこで少し考えてほしいのが人を入れることだけに力を注いでいないだろうかということである。
           
 確かに新しい人材は企業にとって大いなる戦力となり慢性的人手不足という職員間の不満も解消できる。
が,しかし退職者,離職者がそれを上回ることになれば決して良策とはいえないだろう。
3人雇用し,5人退職すれば結果マイナス2名である。
人手を確保するということは入ってきた人を定着させ,離職者を出さないことである。
どこの事業所にお伺いしても管理者から出る言葉は「人手が足りない」「求人を出しても来ない」というネガティブな言葉ばかりである。
それに輪をかけて離職率が高いという弊害が事業所を襲う。
管理者の方々は何をすればよいのだろうかと模索し続けるが,これが正解という決定打となるものも無い。

自分たちの事業所は「入れては出し」の「ところてん」のようなことをやっていないだろうか。

確保する以上は先に離職者を出さないという強い信念が最初になくてはならないのだ。
しかし,現実には人間関係のトラブルや,管理面においての満足度の低さからくる離職実態の多いことか。

 まずは自分たちの事業所においてここ数年のなぜその時期に離職者が多くなったのかという統計を取り,傾向分析してみることをお勧めする。
職場内における人間関係なのか,近隣に新しい事業所が開設されたのか,運営に不満があったのかなどである。
現状が分析できたら,最初に現時点で在籍する人材を確保し続ける策(離職者を出さない)を講じなければならない。
ただし忘れてならないのが人の満足度は何で決まるのかということを間違えずに理解することである。

 次回,定着につながる満足度を決める「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」から人の心理を紐解いてみよう。

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